株式会社環境整備産業
高田晋一さん(仮名・設備保全) 44歳
思いを共有できた、信頼できるキャリアパートナーに出会えたことでUターン転職が実現。
非鉄金属メーカーの横浜工場で設備保全を担当していた高田さん。入社26年間、コツコツ真面目にキャリアを積んでいたが、44歳のときに地元・大分へのUターンを決意した。きっかけは、大分で暮らす高齢の両親への想いだったという。
インターネットでの検索や転職サイトへの登録などで積極的に情報収集するも、希望職種の求人が少なく、年齢の壁にも悩んでいたところ、リージョナルキャリア大分を発見。コンサルタントに相談したところ、転職の道が拓けていった。
地元は大分とはいえ、神奈川に住んでいる期間の方が長い。「26年間積み上げた職場内での地位や仲間、知人との別れに何度も心は揺れました。強い意志、覚悟がないとUターン転職には踏み切れなかった。」と語る高田さんの体験談を紹介しよう。
※本記事の内容は、2021年12月取材時点の情報に基づき構成しています。
- 過去の
転職回数 - 0回
- 活動期間
- エントリーから内定まで109日間
転職前
- 業種
- 非鉄金属メーカー
- 職種
- 設備保全
- 業務内容
- 生産設備の保守・メンテナンス
転職後
- 業種
- 廃棄物収集とリサイクル
- 職種
- 設備保全
- 業務内容
- 機械設備の保守・メンテナンス
ネットに載っている求人が全てではない。諦めずに可能性を拡げたことで希望の求人に出会えた。
現在のお仕事はどんな内容ですか?
環境整備産業は、事業系一般廃棄物・産業廃棄物、大分市からの委託事業(大分市内の一般家庭から出る可燃物・古紙類等の収集)やリサイクル事業を手掛ける会社です。
私は、産業廃棄物の中間処理を行う三佐工場で機械設備の保守・メンテナンスを担当しています。具体的には設備の保守・メンテナンス計画の立案や予算策定、不具合の改善や部品の管理などを任されています。
入社前のご経歴を教えてください。
新卒で大手非鉄金属メーカーに入社。以来26年間、横浜製作所内で鋼電線ケーブルや光ファイバー・半導体製造関係装置などの生産設備の保守メンテナンス業務や作業環境測定や管理業務(安全·品質・環境管理を含む)を担当していました。
転職のきっかけは?
いずれは大分に帰りたいとは思っていましたので、頭の片隅にはいつも大分がありました。これといったきっかけは無いのですが、帰省のたびに年老いていく両親が気にはなっていました。
定年まで勤めあげた時には両親は90歳。親孝行らしいこともまったくしていないので、「せめて元気なうちに大分に帰ろう」と思うようになりました。そして、44歳という自身の年齢も考えると、少しでも早い方がよいだろうと考えました。
転職活動はどのように進めましたか?
インターネットで「大分×設備保全」などの検索をしていました。行政が主催する「オンライン転職セミナー」や転職サイトも眺めていましたが、希望する求人は見つかりませんでしたね。たまに仕事が見つかったとしても、年齢制限で引っ掛かり、なかなかうまく進みません。
職種にも拘らず、幅広く探すしかないかなと、諦めかけていた時にリージョナルキャリア大分を見つけ、エントリーしました。転職支援会社への登録は初めてでしたが、「大分に特化している」ことやWebサイトもしっかりしていて、ここには期待できそうだと「ピン!」と来たんです。
キャリアコンサルタントとの約1時間の面談では、転職の目的や希望・これまでの仕事内容などをヒアリングしてもらいました。そして、自分自身の価値観や気持ちも理解していただき「ちゃんとサポートしてくれそうだ」と感じたのを覚えています。また、業界や職種に関する知識も豊富で、地元も近かったこともあり安心感や親近感が湧きました。
どのような支援がありましたか?
面談後、しばらくして紹介されたのが環境整備産業の求人でした。しかも、すでに私のことをPRしていただき、「こちら会社がぜひお会いしたいとおっしゃっていますが、いかがですか?」と紹介され、即答で面接をお願いしました。
仕事内容も希望通りでしたし、これまで探してもまったく見つからなかったので、「正直ここしかない!」と思ったんです。加えて、面談時に私のことを理解してくれたと感じたので、「このコンサルタントのお薦めなら間違いないだろう」とも。
現職もあるため、選考スピードや進め方もこちらの意を汲んでくれたと思います。1次面接はWebで実施、年末に帰省する予定があったので、そのタイミングで2次面接+工場見学を設定してくれました。内定後、急かされることなく自身で納得のいく意思決定ができたこともありがたかったです。
今の会社に決めたポイントは?
元々、今回の転職では大分に帰ることが目的でしたので、年収や休日などの条件面よりは、会社の雰囲気や仕事を楽しめる環境があることを重視していました。面接をしてくれた専務や部長の人柄にとても惹かれていましたし、工場見学で会った社員の方々とも違和感なくやれそうだと感じました。
実は、工場見学に行った日はとても天気が悪く、風も強かったんです。工場のシートシャッターが外れ、みんなで復旧していたので、私も手伝ったんです。その時の雰囲気で、ここでやれそうだと思えたのが決め手になりましたね。
強い覚悟を持つことが、迷いを断ち、新しい環境を受け入れることにつながる。
転職していかがですか?
任せてくれるので、とても仕事がしやすい環境です。これまでは、自分で進めるというよりも周りと調整しながら、決められたことだけをやるといった環境でしたから、自由度もあり、やりたいようにやれるのが楽しいですね。会社の協力体制もあり、物事がスピーディーに進んでいます。
不慣れなことも多く忙しい毎日ですが、苦になるようなことはありません。知識の習得に関しても、必要な外部講習にも参加させてもらえるのでありがたいです。何より、決裁のスピードが速いです。起案したことはすぐさま回答がもらえますのでストレスがありません。
強いて言えば、コロナ禍で職場のメンバーとお酒を飲む機会や忘年会などがないので、タイミングを見ながら懇親を深めたいと思っています。
困っていることや課題はありますか?
同じ設備保全と言っても、機械の種類や規模などまったく違いますので、勉強しなければ・・・と思っていましたから、そこは問題ありませんでした。
ただ、入社前に「ゼロから立ち上げるつもりで来てください。お願いしたいことは山ほどあります」と期待されていましたので、覚悟して入社したのですが、少しギャップは感じました。
例えば、前職ではルール・マニュアル・過去データなどの整理や管理、5S(整理・整頓・清掃・清潔・躾)は徹底されていましたが・・・。これまでが当たり前と考えるのではなく、無いなら作ればよいと考え、今はベースづくりから取り組んでいます。
生活面の変化はありましたか?
今は実家で両親と住んでいますので、食事や洗濯など身の回りのことは楽になりました。年収はダウンしましたが、十分生活できると計算していましたし、支出もかなり減っていますのでまったく問題ありません。仕事の成果もきちんと評価してくれる会社ですし、年収アップは頑張るだけですね。
それから、口には出しませんが、両親は喜んでいると思います。私自身あまりお酒は飲まないのですが、毎晩晩酌の付き合いをしています。妹家族や同級生と過ごす機会も増え、ホッとするというか、「帰ってきたんだな」とじわじわ感じています。
あとは、車通勤になり運動する機会はめっきり減った一方で、お酒を飲む機会は増えたので、ちょっと体重が増えたのが悩みですね。
転職を考えている人にアドバイスをお願いします。
転職すると決めたらすぐに行動に移すことが大切だと思います。情報収集は幅広く行いましたが、なかなか見つかりませんでした。転職支援会社に登録をするのは少し面倒と思っていましたが、リージョナルキャリア大分のコンサルタントに相談しなければ、仕事を見つけられませんでしたので、支援をお願いしてよかったと思っています。
正直、当たりはずれはあるでしょうが、転職支援会社にしかない求人もあるようですので、利用できるものは利用したほうが良いと思います。そういう意味では私は「当たり」だったと思います。
転職にあたって最も重要なのは覚悟ですね。実は、内定承諾をした後も気持ちは揺れました。約26年お世話になった会社への想い、職場の仲間や知人・コミュニティなど、一生会えなくなるわけではないけど、別れる寂しさみたいなものが沸き起こるのです。
今回は「親の面倒を見たい」と思いUターンを決意しましたが、このタイミングで絶対帰らなければならないわけではありませんでした。「親のために仕方ない」と思っていたら多分決められなかったと思います。
「自分の意志で大分に帰る」という強い気持ちを持ち続ける、嫌なことがあっても、自分で決めたことと思えないと楽しくないかもしれませんね。