転職成功者インタビュー

株式会社オーイーシー
渋谷直人さん(仮名・営業職) 33歳

赴任時の暮らしやすさが忘れられず、大分へ移住。MRからのキャリアチェンジにも成功。

神奈川県出身の渋谷直人さんは、首都圏で製薬会社のMR(医薬情報伝達担当者)として活躍していたが、夫婦で大分への移住を決断した。

きっかけは、前職時代の初任地が九州だったこと。九州で7年間過ごしたうち、4年間は大分を担当。多くの友人ができ、今の奥様とも大分で出会うことができた。

入社8年目に転勤で東京へ。生まれ育った地元ではあったが、社会人として生活してみると、ストレスの多い環境。あらためて大分の暮らしやすさを再認識し、「大分で暮らしたい」と思うようになったという。

だが、神奈川で働きながら1人で転職先を探すのは難しい。そこでリージョナルキャリア大分に相談したところ、地場大手のIT企業への転職に成功した。

暮らしやすさを最優先し、新たな職種へのキャリアチェンジを選択した渋谷さんの体験談を紹介する。

※本記事の内容は、2023年4月取材時点の情報に基づき構成しています。

過去の
転職回数
0回
活動期間
エントリーから内定まで181日間

転職前

業種
製薬メーカー
職種
MR
業務内容
製薬会社でMR(医薬情報伝達担当者)、新規開拓中心

転職後

業種
システム開発
職種
システム営業
業務内容
地方自治体に対するシステム提案及び周辺機器の販売

大分に根差し、トータルでサポートしてくれる転職支援会社を探していた。

現在のお仕事はどんな内容ですか?

株式会社オーイーシーは、大分と東京に本社を構えるシステム開発企業です。50年以上の歴史を持ち、地方自治体向けのソリューションを積極的に提供しています。

私はシステム営業を担当しており、大分県内の地方自治体向けにシステムの提案や周辺機器の販売を行っています。

入社前のご経歴を教えてください。

出身は神奈川県で、東京の大学を卒業後、製薬会社に就職してMR(医薬情報伝達担当者)になりました。

仕事は新規開拓が中心。消化器内科や胃腸内科系病院を訪問して、担当する薬剤の有効性や安全性を紹介し、新規導入していただくという仕事をしていました。初任地が福岡で、その後、東京営業所に転勤しました。

転職のきっかけは?

福岡には7年間いて、そのうちの4年間は大分県、1年半は鹿児島を担当していたんです。初めて九州で生活したのですが、とても暮らしやすいと感じていました。7年の間に知り合いもでき、特に大分には良い友人がたくさんできました。妻ともその当時に出会ったんです。

ところが、入社8年目で東京に異動となり、神奈川は地元ですから住み慣れてはいましたが、人の多さにうんざりしました。通勤時間も1時間半、毎朝5時半起きです。

会社自体には不満はなかったんですが、妻も大分の出身ですし、ひとり暮らしの義母のことも心配でしたから、それなら一緒に大分に戻った方がいいんじゃないか、大分の方がゆったり暮らせるんじゃないか、と考えるようになりました。

またコロナ禍で人と会えない時期が長く続いたことで閉塞感もあり、友達がたくさんいる九州に早く戻りたい、という気持ちにつながったのかもしれません。

転職活動はどのように進めましたか?

前職のMRは、業界的に全国転勤がある仕事です。「ずっと大分で仕事をしたい」と考えていましたので、これまでの経験を活かせるMRの仕事に就くのは難しいとは分かっていました。ですから、まったく別の業種へのチャレンジになることを覚悟して仕事探しを始めました。

まず大手の転職サイトを利用しましたが、自分で企業を探して、ホームページなどで調べ、自らコンタクトし…と手間や時間がかかる割に、表面的な情報しか分からないと感じました。

「地域に根差して転職活動をトータルでサポートしてくれるような転職支援会社がないか」と思い、「転職×大分」で検索してみたところ、リージョナルキャリア大分が主催する「UIターン転職セミナー」を見つけました。

ウェビナー形式だったので気軽に参加してみたところ、大分の求人動向やU・Iターン転職の進め方、U・Iターン後の暮らしや生活など詳しく知ることができ、「ここだ!」と思って後日個別相談を申し込みました。

今の会社に決めたポイントは?

まずは前職と同じ営業職で探していたということがあります。システム系の会社に決めた理由は、将来性の部分が大きいです。この先も需要が続く業界ですし、会社自体にも長い歴史があります。

大分を代表する地場企業が株主に名を連ねており、安定性にも魅力を感じました。これだけ大きな会社が大分の同じ業種で他にあるのかなと思いましたし、この会社なら安心して長く働けそうだと思いました。

先程もお話しした通り、新しい業種に行くということは最初から分かっていたことでしたので、特にハードルは感じませんでした。

ただ、リージョナルキャリア大分のコンサルタントがいなければ、IT業界に勤めるという選択はなかったかもしれません。私のキャリアがどの業界で活かせるのかというのは、自分自身では分かりませんでしたから。

それから、妻は大分出身なので、喜んでくれました。義理の兄が大分で自営業をしており、そこで働ける算段もついていました。ただ自分は長男ですし、地元・神奈川を離れるということで、私の母親には「ちょっとさみしい」と言われました。

でも父は、「自分の人生なので、自分がやりたいようにやるほうがいい」「ちゃんと家族を養っていけるだけの生活をしなさい」と言ってくれて、最後は両親とも気持ちよく送り出してくれました。

1時間半かかっていた通勤時間が、徒歩10分に短縮。

転職していかがですか?

入社して1年になりますが、まったく未経験の業種ですから、まだまだ大変です (苦笑)。入社して簡単な研修の後は、先輩社員とのOJTが中心です。先輩社員に同行し、仕事を見ながら、やりながら覚えるという感じですね。

現在は、大分県内の大きな自治体を、上長と2人で担当しています。週の半分は担当する自治体に足を運び、情報システム部門を中心に、いろんな部署に顔を出します。

「この業務をシステム化するにはどんな方法が良いか提案してほしい」だったり、「新しいパソコンが欲しい」といった要望など、依頼はさまざまです。

協力会社さんと一緒に提案することも多いので、社外や自社のシステムエンジニアとの打ち合わせは多いですね。営業ですが社内調整やデスクワークも思っていたより多いなと感じています。

ただ、仕事は上長や先輩が懇切丁寧に教えてくれます。営業スタッフが少ない会社なので、しっかり育てようという社風もあり、営業は特に中途入社の方が多いので溶け込みやすかったです。

とはいえ、わからないことが多く、何もできない自分に対して少しふがいなく感じていた時期があり、その時は精神的にきつかったですね。そんな中、何かわからないことがある際は、“ただ聞くだけ”にならないように気を付けてきました。

「わからない」と聞くのではなく、「自分はこうかなと思っているんですけど、これで合っていますか?」という聞き方をしたり。「渋谷はちゃんと考えているな」と思われるようにはしてきたつもりです。転職前より、そこは意識していると思います。

転職して良かったと思うことは?

常に心に余裕がある感じです。もちろん初めての業界ですから、分からないことも多いですし、日々勉強していますが、時間を有効に使えるようになったと思います。

会社の雰囲気も想像以上にやわらかくて自由度も高く、自宅でのテレワークも推奨されています。上司にも相談しやすく、任せてもらえるところも少しずつ増えてきて、やりがいも感じています。

義母もすごく喜んでくれました。近くにいると、やっぱり嬉しいみたいですね。私自身も、仲の良い友人たちとの交流が戻り、モチベーションが上がっています。週末にみんなで遊びに行くと、リフレッシュできます。

また自身のキャリアアップにもつながっていると思います。会社は資格取得を推奨しており、取得後は手当が支給されるなど手厚いサポートがあります。私も早速、IT系の資格を取得しました。これから毎年、新しい資格を取得できたらいいなと思っています。

困っていることや課題はありますか?

生活面で困っていることはないですね。退職の交渉はもっと大変なのかな?と思っていたのですが、意外とスムーズでした。前職の上長がとても良い方で、「渋谷君の人生だから」と言って見送ってくれました。

あと、今の会社は私服OKなんです。自分にはそういう文化がなかったので、びっくりしました。私服のバリエーションがそれほどないので、私は今もずっとスーツで出社しています(笑)。

生活面の変化はありましたか?

現在は大分市内にマンションを借りて暮らしています。会社に近い物件を探したので、会社まで徒歩で10分かかりません。おかげで通勤時間はずいぶん短くなりました。

転職前は毎朝5時半に起きていましたが、今は7時半に起きれば大丈夫。2時間多く眠れるのはだいぶ違いますね。

家賃は前と変わりませんが、以前の2倍の広さがあります。また、収入はちょっと下がりましたが、結婚してからは外食も減っているので、問題はありません。

もともと前職の職種は相対的に給料が高かったので、下がるのは覚悟していましたし、自分が頑張ってまた上げていけばいいと思っています。

それから、久しぶりの九州での生活になりますが、大分にしても、福岡にしても、都市がコンパクトですごく生活しやすいと思います。

なかには「公共交通機関が整備されていない」「車がないと不便」という人もいますが、私はそこまで気になりませんね。食事をするところも、買い物をするところも、コンパクトにまとまっていますから。

あとは、ご飯がとてもおいしい!芋焼酎が飲めるようになったのも九州に来てからです(笑)。

転職を考えている人にアドバイスをお願いします。

転職を考えている人は目的があると思うので、「その目的を達成できる転職なのかどうか?」というところを一番に考えた方がいいと思います。

例えば、転職の目的が「休みを増やしたい」ということだった場合、いくら給料がよくても仕事が忙しすぎて休めないなら、本末転倒ですよね。そのバランスが大事なのかなと思います。

あとは、目的ではない部分に対してどこまで妥協できるかだと思います。また収入は想定以上に下がることもありますので、自分の市場価値を常に意識して、資格を取得するなど、自分の価値を上げておく努力も大事かもしれません。

また私は余裕をもって転職活動にのぞむため、大分への転職を意識した時から少しずつ、お金も貯めていました。

リージョナルキャリア大分に相談したことも、とても良かったと思っています。転職したいとは言うものの、「大分に転職できる会社が本当にあるのか?」という点はすごく不安だったんです。

当時は神奈川にいて、しかも仕事をしながらの活動でしたので、1人で探すのはかなり難しいんじゃないかと思っていました。

その点、リージョナルキャリア大分に相談した後は、自分で探さなくても、大分のいろいろな求人を紹介してもらえたので、すごく助かりました。

担当コンサルタントから

チーフコンサルタント 
桝永 健夫

神奈川県出身の渋谷さん。前職での初任地が九州で、好きになった大分へ転職したいというご相談でした。転職活動は比較的順調に進んだ印象です。入社されてちょうど1年が経たれたこともあり、先日近況確認もかねて会食をさせていただきました。

通勤は徒歩10分程度、友人との再会もあり、生活は充実しているとお喜びのご様子。ただ、医薬品業界からIT業界への転身ということもあり、仕事面ではご苦労も多かったようです。「でもそれは覚悟の上。欲を言えばキリがないが、大分へ移住するという大きな目的を果たしているので、ここでしっかり頑張ります!」と力強い言葉をいただきました。

単なる憧れやイメージによる地方転職は何かあった時に折れやすいですが、覚悟のある方は強いなあと感じました。これからのさらなる活躍を祈念しています。

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