2023.02.02
【キャリアアップコラム Vol.17】転職後を成功に導く「メタ認知能力」

最近、30歳前後の方々のキャリア形成に一つの傾向を感じています。
変化の激しいVUCAの時代、成長できる魅力的な職場があれば、積極的に転職をするという志向の方々がかなり増えたなあと感じています。大手企業で好待遇、傍から見るともったいないと言われるような、立場や年収を捨て、リスクをとってまで新たなチャレンジに向かっていくのです。
人生100年時代、彼らにとってはキャリアオーナーシップの醸成(=自分のキャリアは自分で磨いていかないといけない。また、生涯にわたって求められる人材であることが重要)がキーワード。つまり、会社に依存しない、自身のキャリアを磨ける場を求めているのです。
九州は特に半導体関連企業が集積し、大手企業の本社や工場がひしめいていますので、転職してもほぼ同条件(年収が上がる方も多い)で、新しい技術を習得できる環境があります。
一方、地場中小企業になると戸惑うことも多いようです。首都圏と地方ではビジネスの進め方や、働く人の価値観が異なるため、適応に苦労するケースもあります。
自分のこれまでのやり方が通用するのかどうかは事前に理解できるものではなく、入社して初めて見えてくるものです。そこで求められるのは、新たな職場に自分を適応させる能力があるかどうかです。
そのためのカギになるのは「メタ認知能力」ではないかと考えています。 メタ認知の定義は一般的に「認知していることを認知すること」とされています。つまり人が認知するに至ったきっかけから結果に至るまでの全てを自分自身で把握する・自覚的であるということです。
イメージとしては自分が何かをしながら(考えながら)、常にもう一人の自分が斜め上から冷静に見ているような状態です。自分の言動について、もう一人の自分が客観的な立場から、その言動を把握したりコントロールする能力を「メタ認知」と定義しています。
いくら経歴が素晴らしく、前職までに高い業績を上げていたとしても、自分のコミュニケーションが周囲にどんな風に受け取られているかを察知できず、正論を主張し続ける人を時々お見受けします。そのような人は、周囲との協働がより求められる地方の企業において力を発揮することはできません。
よく、郷に入れば郷に従えと言われますが、その意味するところは納得できないことに従えということではなく、自分の言葉が相手に届くために相手を理解せよというところにあります。
まずは新たな職場のやり方で取り組んでみる。そして、その組織ではなぜそのルールが成り立っているのか理解することが最初のステップになります。そうして相手の視点で物事を見ることが自分の視野を広げることになります。
次に、その会社がどのようなメカニズムで動いているのか、皆様が経験した外の目線で俯瞰してみるとどのようなことに気づくか考察してみることです。このようなルールができたのは過去の品質事故の影響かもしれません。あるいは先代の社長から続く方針、お客様や業界の慣習ということもあります。
職場にはそれぞれ、暗黙のルールがあり、プロパー社員にとっては無意識のものになっています。異なる環境を知ってこそ、他の選択肢が見えるため、転職者はその職場の当たり前を変えていく原動力となり、組織にイノベーションをもたらす可能性がある貴重な存在です。
自分の視点と転職先の既存社員の人たちの視点とのズレをメタ認知しつつ、自分の発言、行動を冷静に選択していくことが、新たな職場で成果を出すことにつながっていくでしょう。
これまでも、お持ちの能力、経験を十分に活かし、新たな職場でイキイキと活躍されている転職者の方がたくさんいらっしゃいます。皆様にもそのような転職をぜひ実現してもらいたいと思います。
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