2026.08.26
大分市工場夜景クルーズに参加してきました。
こんにちは。リージョナルキャリア大分のコンサルタントの桝永です。
大分市工場夜景クルーズに参加してきました。
仕事柄、日本製鉄やクラサスケミカルの構内によく出入りしていますが、海から見る大型設備の迫力は圧巻でした。このツアーは、大分市の実証実験の一つで、新たな観光コンテンツに育てたいという狙いがあるようです。
今回ツアー参加にあたり、大分市の臨海地域発展の歴史を調べてみました。
実は、大分市は製造品出荷額等が九州第1位(経済産業省2024年経済構造実態調査)。 年間出荷額は約3.9兆円で、北九州市や福岡市を抑え、九州では不動のトップを維持しています。大分市の事業所数は多くありませんが、1事業所あたりの生産規模が圧倒的に大きい(装置産業型)のが特徴のようです。
・日本製鉄を中心とする「鉄鋼」
・クラサスケミカルやENEOSなどの「石油化学コンビナート」
・JX金属の「非鉄金属(銅の精錬)」
これら世界最大級の大型プラントが臨海地域に驚異的な密度で集積しているため、少数の工場群でありながら全国トップクラスの莫大な出荷額を叩き出しています。
新産業都市発展の歴史と臨海地域の開発
大分市周辺の臨海地域は、1960年代から本格的な開発が始まり、地方都市における工業化の「奇跡的な成功例」として知られています。
① 奇跡と呼ばれた「大分方式」の埋め立て(1959年〜)
当時の大分県知事・荒木二平氏らが中心となり、財政の乏しい県が単独で大規模な埋め立て事業に着手しました。工場を誘致してから埋め立てるのではなく、「先に海を埋め立てて土地を作り、その後で企業を誘致する」という画期的な手法で、製鉄や石油化学などの巨大企業の誘致に成功しました。
② 新産業都市の指定(1964年)
1964年1月、大分地区(大分市、別府市、鶴崎市など)は国の「新産業都市」に指定されました。
大分は全国15の新産都の中でも「優等生」と呼ばれ、計画通りに工業化と都市化が進んだ稀有な地域となりました。
③ 臨海地域の開発エリア(大分臨海工業地帯)
大分港の海岸線は、大きく3つの地区に分けて段階的に開発されました。
| 地区名 | 進出した主な産業・企業 | 開発の特徴 |
|---|---|---|
| 鶴崎・大在地区 (東部) |
九州石油(現・ENEOS)、昭和電工(現・クラサスケミカル) | 石油化学・コンビナートの形成。原油からプラスチック原料までを一貫生産する拠点。 |
| 大分・下郡地区 (中央) |
富士製鐵(現・日本製鉄 九州製鉄所大分地区) | 鉄鋼(製鉄所)の誕生。1972年に操業を開始し、現在の大分経済の核となる。 |
| 大在・日吉原地区 (最新の開発) |
国際コンテナターミナル、電力会社など | 物流・エネルギー拠点化。近年も2025年、2026年にかけて機能強化が続いています。 |
大分港の水深(大型船を受け入れるための進化)
大分臨海工業地帯に原料を運ぶ船は、世界最大級の貨物船(鉱石キャリアやタンカー)です。これらを着岸させるため、大分港の水深は国内トップクラスの深さへ掘削されてきました。
① 1970年代:世界最大級の「水深24m〜27m」シーバース
日本製鉄(旧・新日本製鐵)の操業にあわせ、海上に突き出た原油や鉄鉱石の受入桟橋(シーバース)が建設されました。30万トン級の超大型タンカーや鉱石専用船が満載状態で着岸できるよう、当時の世界基準を超える深さ(水深24m〜27m)が確保されました。大分港が「大型工業港」と呼ばれる最大の強みです。
② 1990年代〜現在:国際物流を支える「水深14m」岸壁
臨海工業地帯の東部にある「大在コンテナターミナル」では、アジア諸国を結ぶ大型コンテナ船に対応する整備が進められました。5万トン級のコンテナ船が常時接岸できる深さです。大分港では、現在この水深14mの岸壁をさらに有効活用し、アジア圏からの貨物取扱量を増やすための周辺敷地(26ヘクタール)の拡張整備が進められています。
③ 2020年代(最新):RORO船向けの「水深7.5m〜9m」
近年のモーダルシフト(陸上トラックから海上輸送への転換)に対応するため、大在西地区などで新たなターミナル整備が進んでいます。2025年5月に供用を開始した最新の新型RORO船(約1万〜1万5千トン級)が安全に接岸できる水深が確保され、九州と関東・関西を結ぶ国内物流のスピードアップに貢献しています。
こんな歴史や苦労があって、いまがある・・・。そんな想いをもっていざ乗船です。
出発地点は、かんたん公園の桟橋。やや雲がありますが、風もなく穏やかです。
おじさん一人で乗船したため、工場男子ですか?と・・・

すぐ隣にあるホーバー基地を眺めながら・・・
港外へ。往路はマジックアワーです。
最初の見せ場は、日本製鉄の巨大な高炉(溶鉱炉)や、海上に突き出たシーバース(原料船が着岸する桟橋)、当たり前ですがむちゃくちゃデカい。
日本製鉄 九州製鉄所 大分地区では、約700万m2の広大な敷地に、最新鋭の技術を駆使した世界最大級の超大型設備を有する基幹製鉄所で、上海やバンコクなどのアジアの主要都市向けの製品輸出の拠点とにもなっています。製鉄所の粗鋼生産量は、2025年度の実績904万トンで国内2位です。
乙津川河口から少し入り、日本製鉄の製品積み出し港をみながらUターン。
対岸の大分コンビナート(クラサスケミカル)が現れます。※良い写真取れませんでした・・・(笑)
クラサスケミカル株式会社は、大手化学メーカー(株)レゾナックの石油化学事業が分離・独立し、2025年1月1日に誕生した新しい会社です。2026年4月下旬に東京証券取引所へ上場申請を行っており、同年9月29日に上場する予定です。
大分港の鶴崎・大在地区(中ノ洲)にある大分コンビナートを運営しています。プラスチックやゴム、自動車部品、電子分野の原料となる基礎化学品(エチレンやプロピレンなど)を製造しています。
九州唯一のエチレンセンターで年間約69.4万トンにのぼり、国内第2位の生産能力を誇ります。
ここから、桟橋に戻ります。
マジックアワーから夜景に変わり、これもまたきれい。
シーバースの大型クリーンが、タンカーから鉄鉱石を積みだす作業をまじかで見ることができます。
音・におい・巨大な設備・・・迫力ありました。
対岸の別府の夜景もきれい・・・
約70分のクルージング。気の合う仲間とお酒を飲みながら過ごすのもありかと・・・
あらためて大分の産業に触れることができた時間でした。
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